ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「誰よ、そんなことしたの!!」


「あっ、ちょ、しゅーちゃんいいからっ」


しゅーちゃんが、教室にいる女子グループに向かって大声で言うから、慌てて制すると。


うっ……。


今、あからさまにクラスメイトが目を逸らしてしまった。


関わりたくなさそうな人と、誰がやったのかわかってそうな人。


空気感だけで伝わってしまう。


そうだよね……。


きっと、逆の立場なら、私もそうなっていたかもしれない。


「……ごめんね、みんな」


「は?何で初花が謝んの?」


「ホントだよ。どう考えても被害者じゃん」


「犯人絶対シメる」


私のことを必死に守ってくれる3人の言葉に目頭が熱くなる。


普段、みんな仲のいい私たちのクラス。


私が織くんにお世話になっているせいで一部の、いや、ほとんどの女子たちの反感を買ってしまっているせいで。


めぐちゃんたちを巻き込んでしまって、他のグループとギスギスしてしまっているんだから、申し訳ない。