ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。






あれから、それぞれクラスメイトに写真のことを聞かれたら、私の家の都合で3ヶ月、織くんちにお世話になっていることを正直に話すようになり。


それから数日。


「あれ……」


めぐちゃんたちとおしゃべりしながら次の授業の準備をしようと机の引き出しに手をいれて中を見るけど。


数学の教科書が見つからない。


「どうした?初花」


「あ、ううん」


私の異変に気付いて声をかけてくれたちーちゃんにそう言って、今度は机の横にかけたかばんをとって中を確認するけど、やっぱりない。


どうしよう……。
心臓が、バクバクと嫌な音を立てる。


「……初花、もしかして、また教科書無くなった?」


一部始終を見ていためぐちゃんの鋭い声に、笑顔が引き攣る。


『また』


そう。めぐちゃんが言うように、私の教科書がなくなるのは、今週2回目だ。