ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「ありがとう。さすが、白井さんの友達だね。類は友を呼ぶってこういうことだ。みんな明るくて優しい」


織くんがそう言いながら、私の頭に優しく手を置くから、また心臓がうるさくなって。


こんな大変な状況なのに胸が温かいなんて。


「織くんの頭ぽんぽん!!」


と横からめぐちゃんが大きな声を出した。


「いや、まじそれもなんだけど。え、どうしよう今うちら、織くんに褒められた?」


としゅーちゃんがちーちゃんの腕をバシバシ叩く。


「無理、織くんの過剰摂取がすぎる。供給量がナイアガラの滝なんだが。鼻血出る」


「鼻血……それは私がこの間出した」


と冷静にちーちゃんに暴露する私。


「え、嘘でしょ」


「ううん。ほんと。織くんと愛菜さん、あ、織くんのお母さんの前で」


こんなことまで話せるのはやはりこの3人だから。


「待って、初花、鼻血姿を織くんと織くんお母さまに見られたの?!」


「うん、織くんがあまりにもすごかったもので」


とめぐちゃんのセリフに頷けば、


「それ後で詳しく」


「初花、強すぎだろ」


なんてちーちゃんとしゅーちゃんが呟いて。


彼女たちがいつもと同じ空気感でいてくれるからこそ気持ちが少し落ち着いて。


それから、私と織くんは、教室で今回のことを聞かれたらちゃんと話そうということを決めた。