織くんが準備してくれたふわふわのブランケットに身を包みながら、クッションを抱きしめて。


不穏なBGMが流れ出し、慌てて目を隠す。


「えーー絶対怖いやつじゃんこれっ!」


「白井さん、苦手?」


隣に座る織くんが優しく聞いてくる。


「苦手っていうか、……ムカつく……」


「ふはっ、なにそれ。怖いんでしょ?」


「いや、怖くは……」


本当は怖い。すこぶる。
でも、認めたら製作者の思うツボなので、ホラーに負けた気がしていやなのだ。


いや、言われなくてもわかっている。
自分でもよくわからない。


「っ、わー!今なんかいた!絶対いたっ!」


「いたね……」


んもう!!
織くんなんでそんなに冷静なの!!


こっちはいつ漏らしてもおかしくないんだからね!!