「ふふっ。……ほんとすっごく楽しかったな〜!今度は織くんの誕生日だよね!もちろん把握済みでございますよ!2月10日!……あ、でも2月だと私もうここにいないのか……どうしよう、」
スポンジとお皿を持ったまま瞳を上に動かして考える。
柳瀬家にいることが、当たり前になってきて、織くんの誕生日も今日みたいに祝うつもりだったよ、危ない危ない。
私がここにお世話になるのは3ヶ月。
12月半ばまでだ。
私が考えていると、隣にいたはずの織くんがフッと、消えて。
かと思えば、後ろからやわらかな温もりに包まれた。
え。
「いいよ。ずっといてよ、白井さん。3ヶ月だけとは言わず」
「なっ……」
え。え。え。え。
ちょっと待ってくれ。
これって……。
まさか、私、織くんに抱きしめられてる?!
私の腰からお腹に巻きついているのは正真正銘、織くんの腕で。
な、なんてことだ。