「っ、もう、なんていい子なのっ、初花ちゃんっ!!」
「いい子なんてそんな!!全然です!!それに、なんといっても、推しである大好きな織くんとこうしてお近づきになれちゃってるわけですから!!」
愛菜さんに今までの感謝の気持ちを伝えて感情が昂ってるままで、つい『推し』とか『お近づき』とか余計なことまで言っしまった、と後悔していると、
「初花ちゃんがお嫁に来てくれたら、私すっごく嬉しいんだけどな〜」
なんて、愛菜さんが爆弾発言をした。
「な、何言ってるんですか愛菜さん!いくら冗談でも!言っていいことと悪いことが!」
織くんには好きな人がいるんだし、そういうのはジョークでも迷惑だよ!
「あら、わりと本気よ?私。ね、織」
と、織くんに話を振る愛菜さんだけど、いやぁ、織くん絶対怒っているだろうに……。
恐る恐る織くんの顔を横目で確認すると。
「……そういうの、やめて」
織くんが、私の方から顔を背けてそう言った。
だっ……。ほら!愛菜さん!織くん怒っちゃたじゃん!私、織くんに嫌われたく──。
「白井さんが、困るから」
え。
うそ。
織くん、なんでそんなに、耳が真っ赤なの。



