ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



その日からあっという間に数日がたち。
今日は、私が愛菜さんのうちにお世話になる初日。


そして、ママの出発の日だ。


学校は今日1日休んで、朝からママと一緒に空港に向かって、その後に愛菜さんのうちに行くことになった。


愛菜さんも空港に来てくれるらしくて、ふたりでママを見送る予定だ。


「あっ、来たわよ!」


空港に着いて少し。
ママが顔を向けた先を見れば、ボブヘアをゆるく巻いた可愛らしい女性がこちらに手を振っていた。


明子(あきこ)さ〜んっ!」


明子とは私のママの名前。

あのふわふわした可愛らしい人が、愛菜さん?これから私がお世話になる人……!!


「わぁ〜はじめまして〜!初花ちゃん!私、明子さんの、あ、初花ちゃんのお母さんの同期で───」


「おいお前さっさと前歩けよ〜!」

「向こうの店まだ見てないんだけど!」

「時間やばいって!」


っ?!


突然、横から団体の旅行客らしき人たちが大声で話しながら横を通ったのでびっくりして肩が跳ねた。


声、もう少し抑えればいいのに……。