ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



袋を片そうとした愛菜さんが、中にもう1つあることに気付いて「ん?」と首を傾げながら中身を取り出す。


「あら、これは……」


「あ、それは、私からです!」


「まぁっ……!!」


溶けたらお湯が星空みたいに見えるというおしゃれな入浴剤。


いつも仕事を頑張っている愛菜さんに、少しでも癒しをと。


「私も、たくさんお世話になっているので。ここに来て2週間。お世話になったのが、愛菜さんのところで、柳瀬家でよかったって、すっごく思っていて。改めて、本当にいつもありがとうございます!愛菜さんのこと、大好きです!へへっ」


「初花ちゃん……」


私の名前を呟いた愛菜さんがまた泣き出してしまった。


「ごめんなさいっ、初花ちゃん……」


「えっ?」


なにを謝られているのか分からなくてぽかんとしていると、愛菜さんが涙をティッシュで拭いながら、ゆっくり話し出した。