ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「共犯って言葉が似合わなすぎます、織くん」


「似合わない?」


「うん。織くんは、ザ・王子さま!だから!」


「王子さま、ね……」


織くんは小さく呟いて私の方に体を向けたと思えば、


いきなり、私の首筋に手を伸ばして指でなぞるようにそこに触れてきた。


そしてちょっぴり不服そうな顔。


なんで……そんな顔するのですか。


「っ、」


くすぐったくて、顔が歪む。


「っ、お、織くん?」


「……白井さんは、俺のこと美化しすぎ」


「えっ、」


いや、美化って!!
だって織くんは、美しいの何ものでもないではないか!!


そう、反論しようとした瞬間。


目の前に影が落ちてきて。


とても一瞬のことだった。


フワッと、織くんの匂いが鼻を掠めて、耳元に彼の吐息がかかる。


そして───。


チクッと耳に軽い痛みが走った。


「っ、いっ、」


なっ、なんだこれはっ……。


織くんが私から離れた瞬間、とっさに耳を押さえながら呆然と彼を見上げる。


織くん……今、なにしたの。