「愛菜ちゃん?」
「そう。会社の同期で。愛菜ちゃんがね、3ヶ月間、初花を預かってもいいって言ってくれてるの。私が海外行くの渋ってるの見て、初花のことひとりで置いておくのが心配なら是非うちにって」
それから、ママは同期の愛菜さんについて話し出した。
向こうもうちと同じシングルマザーで2人は入社時から仲がいいらしく。
なんでも愛菜さんには私と同じ高校に通っている同い年の子がいるから、それなら、話も合って寂しい思いもしないんじゃないかと。
「初花が人様の家だと落ち着けないっていうなら無理にとは言わないんだけど。ママは信頼してる友達のそばに初花がいるって思うと安心して仕事もできるなって」
「うん。……私もこの家で1人は正直寂しすぎるなと思ってた」
「てことは……」
「うん!愛菜さんのところにお世話になる!」
そう答えれば、ママの顔がパァッと明るくなって。
「ん〜!!本当にありがとう初花っ!」
こうしてママの3ヶ月間の出張が無事に決まった。



