「……今のは、その、練習」


ですよねええーーーー!!
いやいやいや!!
もちろん本気にしないよ!!


大丈夫!!ちゃんとわかっているよ織くん!安心して!!


「や!!うん!!知ってる!!練習!!そりゃそう!!……あの、織くん、だから、タオル!」


「ん……まだ……ダメ、」


「えっ、」


ひぇ〜〜!!なんで〜〜??これ以上、織くんが私の体に触れていると思うと(タオル越しだけど)蒸発してしまいますが!!


「顔……熱いから、」


「なっ、」


その子に『好き』って言うの想像しただけで、そんなことになるの織くん!!


可愛すぎの最上級かよ!!この布一枚の向こう側に赤面してる織くんがいるのかと思うと想像だけで、キュンの致死量で逝ってしまいそう。


「あの、織くん、……ちょっと見たいです」


死にそうだと思いながらそんなことを口走ってしまうんだから、人間は実に愚かである。


欲望の塊か、白井初花。


「……白井さん、イジワルだ」


「だって!!今、目の前に推しのSSRがあるんだと思うと、」


「俺、ゲームじゃないよ」


フッと笑って返されて。


「はい。ごめんなさい」


すぐに謝れば、織くんは「ちゃんと乾かして寝るんだよ」と私の頭を優しく撫でてから、顔を見せないように部屋へと戻っていった。