ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「わわわ、ほんっとうに、ごめんなさいっ!!怪獣かよってね!!まったく!!以後気をつけますっ!!けど、その、朝のこと考えていたらいてもたってもいられなくて!!織くん、好きな人いるから、その人にあの噂が聞かれちゃったかもしれないと思ったら申し訳なくて……、」


と私の口がベラベラと早口で話していると、織くんの手が止まったので顔を上げる。


うわっ、この角度から見てもイケメンとかもう意味がわからない。


「……押してダメなら引いてみろってよくいうでしょ?」


「え、」


ふたたび私の頭の上で織くんの手が優しく動く。


「白井さんと俺が付き合っているって噂が出た方が、彼女も、少しは俺のこと気にしてくれるかなって」


「……あ、ああ!なるほど!」


さすが織くん!!!!
頭のいい人はやっぱり考えることが違いますですな!!


よく言うもんね。
今まで近くにいて言い寄って来ていた異性が、突然、自分とは違う人と距離が縮んでいるの見ると意識してしまうとか。


そこからそのまま自分の気持ちに気づいて恋に発展!!とか!!