ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



中学2年。


私が広夢に振られて落ち込んでいたとき、ママは私を少しでも元気付けようと外に連れ出してくれたり、いろんな気晴らしに付き合ってくれた。


あの時だけじゃない。ママにはたくさん助けてもらったんだから。私だってママのやりたいことを全力で応援して協力したい。


こんな早くママと3ヶ月も離れるなんて考えても見なかったからすごく寂しいけど。


「ママにはいっぱい助けてもらったもん!次は私の番!」


「っ、初花っ、」


そう私の名前を呼んで涙ぐむから、こっちまで目頭が熱くなってしまう。


こんな時、広夢とまだ今もただの幼なじみの関係だったら、あの頃みたいに彼の部屋で過ごしてママがいない寂しさを紛らわすことができたんだろうか、なんて。


もう2年以上も経ってるのにこういう考えが過ぎる自分に呆れてしまう。


ダメだ。しっかりせねば。