ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「あの、ごめんね。今朝の噂……」


「なんで白井さんが謝るの?俺たちから直接聞いたわけじゃないのに憶測で噂流した人が悪いでしょ?」


「……いや、まぁ、そうなんだけど……でも、」


私みたいなのと噂されたらシンプルに迷惑だろうし……。


そう思っていた次の瞬間、織くんがいきなり、私の髪の毛束をすくった。


「っ、へっ、お、織、くん?!」


「そんなことよりも。白井さん、ちゃんとすぐ髪の毛乾かさないと。風邪ひいちゃうよ」


織くんはそう言って、私の肩にかかっていたタオルをフワッと頭に乗せてから優しく拭いて乾かしてくれる。


なななな、な、な、なんて状況なんだ!!


推しに髪の毛を乾かしてもらうなんて!!
もう一生髪の毛洗えないじゃないか!!


「あああ、あの、織くん、ちょっと、」


控えめに言って心肺停止案件です!!