ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。






めぐちゃんたちは、織くんに好きな人がいるという話を聞いて、最初はものすごくショックを受けていたけど。


いちごパフェを食べ終わる頃には、


「推しの幸せが私らのいちばんの幸せだ」

「全力で推しの幸せを応援できるファンになるわ!」


と力強く公言くるまでになっていた。


それからは、あの織くんが好きになる人って一体どんな人なんだろうってみんなで話しながら、いろんな想像が膨らんだりして。


ほっこりした気持ちになりながら家路に向かって柳瀬家が見えてきた頃には、あたりはすっかり薄暗くなっていた。


家に着いて玄関のドアを開ければ、愛菜さんが明るい声で「おかえりなさいっ」と出迎えてくれて。


ダイニングに着くと、クリームシチューのいい匂いがした。


ぐぅぅ〜〜。


っ?!


う。恥ずかしい……。あれだけ食べたのにまだお腹すいてるとか……。胃に穴でも空いているんじゃないか。


「すみませんっ!!」


恥ずかしさでとっさに謝れば、愛菜さんはフフッと笑ってくれて。


「謝らないの〜!育ち盛りだもの。作りがいがあるわ。すぐ準備できるから、荷物置いてらっしゃいっ」


うぅ。なんて優しいんだ愛菜さん。


「は、はいっ!!ありがとございますっ」


元気よく返事をして、急いで洗面所と自室に向かった。