ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「そうそう!チャンスだよチャンス!もしかしたら本当に推しと、織くんと、付き合えるかもしれないんだから!」


「いや、ちょ、しゅーちゃん、話が飛躍しすぎです……ていうか、みんなは織くんに彼女できていいわけ?それが私とか……」


ありえない話なんだけどさ。


「え、なんでダメなの?!推しの彼女が友達とか!自慢のなにものでもないじゃん!んぇ!てか、もう一緒に住んだら好きになっちゃわない?!」


と意外にもめぐちゃんがノリノリでびっくりしちゃう。


いいのかよ。


いやでも。


「ハハッ。ないない。織くんは推しだもん。恋愛感情とかじゃないから」


あんな苦しいもの、もう誰にも向けたくないんだもん。推しにはなおさら。


それに……。


「織くん、好きな子いるって言ってたし」


「は」


「へ」


「な」


私の一言で、3人が同時に固まった。