「秋都、桃ちゃんとケンカでもした?」


赤松製薬のクリスマスパーティーに向かう途中の車の中で、後部座席の隣に座っていた春兄が話しかけてきた。


「…べつに。なんで?」

「だって、ここ1ヶ月くらい2人が話してる姿見てないし」

「オレも思った。もしかして秋都、文化祭のときにモカに嫌われるようなことでもしたんじゃね?」

「してねーよ!」


冬里に言い当てられそうになり、つい口調が強くなる。