その花火を見上げながら、秋都に言った。


「いいの?お前は屋上に行かなくても」

「なんの話だよ。なんで俺が…」


とは言いつつ、内心気にしてんだろ。

素直じゃねぇなぁ。


「知ってるか?『この花火をいっしょに見ることができた相手は、将来ずっとそばにいる』っていう噂があるの」

「ああ。女子たちが騒いでるよな」

「モカだってその1人だよ。…あいつ、この花火を見ながら、夏芽に告るつもりだぞ」