屋上から下りてくると、なにやらグラウンドでせわしなく人が行き来している。

花火の準備をしているようだ。


その中心で指示を出しているのは、生徒会長の秋都だった。


…ったく、あいつ。

こんな時間まで、仕事してんのかよ。


「おい、秋都」


オレの声に気づいて、秋都が振り返る。


「…冬里?あの地味女はいっしょじゃないのか?」

「モカなら、屋上だよ。花火が上がるのを待ってる」