♧♡四季島家のメイドさん♤♢

「あの…、冬里くー…」


しかし、そのとき。


「…モモ!!」


後ろから、声がした。

その声の主は、振り返らなくたってわかる。


タイミングがいいんだか、悪いんだか…。


モカには聞こえないくらいの小さなため息が漏れた。


「…ちぇっ。夏芽に邪魔された」


ケンカじゃ、だれにも負けたことねぇのに。

夏芽本人が現れたら、オレに勝ち目はない。


初めて味わった…“敗北”だった。