夜の10時頃。

部屋で勉強をしていたら、静かな部屋にドアをノックする音が響いた。


やってきたのは、…珍しい人物。

冬里だ。


「どうした?お前が俺の部屋にくるなんて」

「ちょっと頼みごと」


冬里が俺に頼みごとというのも、また珍しい。


冬里は俺専用のソファに、ドサッと倒れるように座った。

俺は、机の上に開いていた参考書を閉じて、仕方なく冬里の向かいのオットマンに腰掛けた。