「冬里くん、これっ…」

「あっちの花壇の中で見かけた。あんたのだろ?」

「う…うんっ。ありがとう」


なんでオレが地味女の上靴を拾わねぇといけねぇんだよとは思ったが、上靴で花が押し潰されていたから仕方なく。


「…あんた、毎朝上靴探してるよな?」

「そ…そんなことないよ?」

「オレ、いつも遅刻ギリギリに行ってるから、あんたがチャイム鳴る直前まで探してる姿、何度も見たことあるんだけど」