オレが登校すると、昇降口の下駄箱付近でなにやら怪しげな動きをする女…。

周りは不審がって近づこうとしない。


そう。

その女はオレの家のメイドで、学校一の地味女だ。


もし、地味女がオレの家に出入りしていると周りに悟られたら、恥をかくのはオレのほう。

だから、あまり関わりたくなかったのだが…。


「はいっ」

「…冬里くん!」


こいつの探しものであろう上靴を後ろから差し出したら、地味女は驚いた顔をしていた。