あたしは、畳んだまま置きっぱなしだった洗濯物を端に寄せる。


「今日は、桃ちゃんにいいものを持ってきたよ」

「いいもの?なんですか?」


あたしが尋ねると、春陽さんは背中の後ろに隠していたなにかを見せた。

それは、ケーキの箱だった。


しかも、駅前にある高級洋菓子店のケーキ…!


「…どうしたんですか、これ!?」

「普段、お仕事がんばってくれている桃ちゃんのために、ご褒美♪」