昨日の男の子が脳裏をかすめる。 セットされていない寝癖混じりの黒髪。 クリっとした目。 大人になりきれていない華奢な肩。 鮮明に浮かんでギュッと私の心を掴む。 嬉しくて。悲しくて。切なくて。 いろんな感情が溢れてくる。 ほんの一瞬の時間だったのに。 ただその一瞬が 私にとってはとても大切な時間で。 その想いは本物で。 それでも心の奥に秘めたまま。 そっと扉を閉めることにした。 自分を守るように。