『Uさんはトーヤの手を握って「あったかい」と言ってくれました。
おならの音を「トーヤ君の自己紹介」だと、優しいリアクションで気遣ってくれました。
反応のないトーヤですが、生きています。
Uさんはトーヤの生きる姿を素直に受け入れてくれたのだと思います。
この子が生きていくためには、確かにお金がかかります。
沢山の税金や医療費を使っていることも事実です。
だけど、トーヤが生きることを認められない社会=中途障がい者を認めない世の中になってはいけないと思うのです。
中途障がい者だけではありません。
お腹の中で偶然障がい者になってしまった赤ちゃんだってそうです』


……突発性発疹による高熱が原因で医ケア児になったとうや君は、それまでとても元気な子どもだったそう。
病気ひとつしない、健康な赤ちゃんがある日突然医ケア児になることもあるなんて、私は知らなかった。
突発性発疹は、ほとんどの赤ちゃんが二歳までにかかるごくありふれた病気だ。