【SS】意味が分かると怖くない話

でも、私はここから動けない(・・・・)
あまりにも怖くて。


助けてあげられない。


周りの人が駆け寄って、色々な道具を持ってきてくれているけれど、噴き出る血は止まらなかった。


そこへ、やっと来てくれた人がいた。
他の人よりも頭がよくて、彼の傷の手当の仕方を知っているに違いない。
いつもみんなから頼りにされている存在だから。
普段からみんなに色々なことを教えているし。

大丈夫、その人は口ではそう言っているけれど、私には信じられなかった。


「ごめん!!」


どうしようどうしよう、謝っても聞いてもらえない。



何回目だっけ、人をこんな風にしてしまったのは。



普段はみんなが優しくしてくれて。
私はこんなに体が大きくて、硬いのに。こんな私でも、大切にしてくれていたのに。




その時、がんっと鈍い音がして、私の体に痛みが走った。

その男の子が私の体にキックしたからだ。