総一郎が布越しに形の良い頭を撫でると、びくりと大袈裟にあかりは反応する。
「だ、大丈夫だよ。えっと、あの、頭痛くて……それだけだから」
「薬は飲んだ? なんか食べた?」
「平気、平気だから……あの、一人にしてほしい、かな」
震える声が妙に上ずっていて、総一郎はなんか変だなと思った。
体調が悪いならもっと苦しそうだったり、息も絶え絶えだったりするのに。あかりの声からは、そういう辛さとは別のものを感じた。
総一郎の直感が、これはおかしいと叫んでいる。
だから、あかりの包まるタオルケット越しに頭を撫でながら、総一郎はゆっくりと口を開いた。



