世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




 総一郎が布越しに形の良い頭を撫でると、びくりと大袈裟にあかりは反応する。



「だ、大丈夫だよ。えっと、あの、頭痛くて……それだけだから」
「薬は飲んだ? なんか食べた?」
「平気、平気だから……あの、一人にしてほしい、かな」



 震える声が妙に上ずっていて、総一郎はなんか変だなと思った。


 体調が悪いならもっと苦しそうだったり、息も絶え絶えだったりするのに。あかりの声からは、そういう辛さとは別のものを感じた。


 総一郎の直感が、これはおかしいと叫んでいる。


 だから、あかりの包まるタオルケット越しに頭を撫でながら、総一郎はゆっくりと口を開いた。