──翌日の晩。 あかりが一通りの家事を終えて風呂に入って上がると、総一郎がソファーに座って待ち構えていた。 いつも先にお風呂に入ると、うとうとして寝てしまうのに、あかりは不思議に思い総一郎に駆け寄る。 「総一郎くん寝てないの珍しいね。どうしたの?」 すると、総一郎はソファーの足元のカーペットを指さした。 「ん? どうしたの?」 「俺も」 「え?」 「俺も、あかりの髪の毛を乾かしたい」 「ヒェッ」 あかりは総一郎の言葉に驚き、変な声が出た。しかし、そんなことを気にする間も無く後ずさる。