八月に入り、それはもう夏真っ盛り。
地球温暖化が原因で日中の気温はそれはもう高く、冷房なしで過ごすのが辛いくらいだ。
本日もカンカン照りの晴天、大きな入道雲の浮かんだ空に手が届きそうな朝。
「今日も暑い〜」
あかりは洗濯物を干し終え、父がベランダに置いた木製の椅子に腰掛け麦茶を飲む。
ふわりと吹いた風で総一郎から貰ったレモンイエローのエプロンがはためいた。
総一郎は大会に向けて朝早くから部活に出ている。
あかりもそれに合わせ早起きをし、せっせとお弁当を作って持たせ、送り出しているが、そろそろ総一郎も疲れのピークを迎えている。
抜かりなく美味しいご飯と気持ちの良いお風呂、お布団、過ごしやすい場所を提供しなくてはと、ムンと意気込むと同時にポケットでスマホが震える。