「えっ」
「これ、あかりが喜んでくれなかったらと思うと渡すの悩んだ」
「…………」
「……特別、嬉しく感じてくれる? あかりに付けてほしい」
総一郎の手のひらに乗ったヘアクリップを、あかりはゆっくりとした動作で受け取った。
もう、人間嬉しいことがありすぎると言葉がうまく出ないということをあかりは身を持って知った。
オレンジ色のリボンのヘアクリップ。
あかりに似合うと選んでくれた総一郎の気持ちが嬉しくてたまらない。
総一郎がじっと見守る中、下ろしていた髪を束ね、それをヘアクリップを止めると、あかりはクルリと一回転した。
ふわりとヘアクリップに纏められたあかりの柔らかな髪が揺れ、総一郎は目を奪われる。



