「……へ、えっ、これ、私に?」
「うん。あかりに」
「開けていい……?」
「もちろん」
内心総一郎はあれ? と首を傾げていた。
あかりは圧力鍋の時のように喜ぶでもなく、感情の読み取れない表情で丁寧にラッピングを解いていく。
もしかして本当にプレゼントはいらなかったのか。
とりあえずさっきヘアクリップはプレゼントから抜いておいたけど、エプロンも大きなお世話だったのかもしれない。
総一郎は、まるでバレーの試合で格上の強豪校とぶつかった時のように心臓がバクバクしていた。
あかりはイエローの小花柄のエプロンを取り出し、それをじっと見つめる。
総一郎の心境は今にも逃げ出したいである。
「……嬉しい」
ポツリと響いた声に、総一郎はハッとする。
あかりはエプロンを抱きしめ、心から幸せそうに、花が咲いたように可愛く微笑んでいた。
それを見た瞬間、総一郎は一気に脱力した。



