「よかったね」
「……あれ? 総一郎くん元気ない? のぼせた?」
「平気。髪半乾きだから、もう少ししたら行く」
「うん。もう手巻き寿司の準備万端だから、たくさん食べようね」
「ありがとう」
にっこにこのあかりがリビングに戻っていくのを見送り、総一郎は脱衣所に引っ込むとため息をついた。
誰かに何かをプレゼントしたいと思うのが初めてで浮かれていたが、そのプレゼントを気に入って貰えるか不安に思うのも初めてで困る。
もし喜んでもらえなかったら、ヘアクリップがあかりの好みじゃなかったらと思うと、心が萎んでいく。
「俺のバカ」
せっかくのあかりへのプレゼントなのに。
きっと自分のプレゼントは電気圧力鍋には勝てない、もうエプロンだけでいいかと総一郎は鏡に額を押し付けた。
***



