「勝手にいなくなるのダメ」
「ご、ごめんね? でも喉乾いてるかなって」
「ありがとう。けど、人多いから次からは声掛けてほしい。俺も一緒に行く」
「…………ウァ」
いつものあかりなら『もう、そんな心配しなくても大丈夫だよ』と返せたかもしれない。
けど、今は違う。
明らかに他の女子とは違う態度を取られ、言葉や言動ですきすき可愛いだいしゅきと甘やかされ、あかりも疎くて無意識ながらも、心は総一郎にほぼ傾いている。
口からこぼれるのが無意味な声なのも分かるというもの。
しかし総一郎は違った。
「え、あかりどうしたの。疲れた?」
「違う、違うの……違うから」
「何が違う?」
「あの、わた、わたしっ」
「うん。どうしたの」
総一郎は、ぽぽぽぽっと頬を可愛く染めているあかりに夢中でガン見、あかりは総一郎の甘く優しい態度に瀕死。
公衆の面前で糖尿病になりそうなほどの甘い雰囲気が漂わせる無意識な二人はハッキリ言って迷惑だ。
そして、それをぶった斬ったのは隼也だった。



