そしてそうこうしているうちにあっという間に夕方になり、ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
 手際良く晩御飯を作り終えていたあかりは飛び上がり、パタパタと玄関に向かう。



「おかえりなさい総一郎くん。みんなもいらっしゃい」
「あかり、ただいま」
「……おじゃまします」
「あかりさんおじゃまします! これうちの和菓子です。よかったら食べてください」
「わぁ、ありがとう! 後でみんなで食べようね」



 エプロン姿でにこにこしているあかりに、総一郎はここ最近一気に近付いた距離感を生かし、纏わりつく。
 あかりは一瞬ドキリとしたが、気を取り直してそのまま清谷と隼也に微笑んだ。