そして赤い顔で、にまりとしてやったりの顔をした。



「ちゃんと清谷くんに謝りなさい。分かった?」

 

 よし、お姉さんぶれた。あかりは心の中でガッツポーズをするが、総一郎はあかりを見上げきゅんきゅんしていた。


 顔赤い、目がうるうるしてる。なのに無理して年上ぶってる。


 うわーーーーー!! かわいーーーー!! 


 総一郎はソファーに転がった。ノックアウトだ。あかりはそんな総一郎を見て、そそくさとキッチンに向かう。今日の晩御飯がまだだからだ。


 冷蔵庫を開けながら、あかりは熱が引かない自分の頬に手を当てる。



「(嫌じゃなかった……)」



 総一郎に謝らせたいがためにキスをオーケーしたが、こんな予定ではなかった。


 あかりはぶんぶんと顔を振るが、総一郎の柔らかな唇の感触が消えない。それどころか、意地悪い顔をした総一郎を思い出し、心臓のドキドキが止まらない。



「最近の男の子は、積極的過ぎるな……」



 お前も年齢変わらないだろ、と突っ込む人間はここには居ない。




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