そしてそんな総一郎の様子を伺うあかりはイライラしながら困り果てていた。


 まるで子育て。ダメなことはダメと教えなくては、総一郎の今後が良くない方向にいく。三つ子を母とともに育てていたあかりの思考は、姉を通り越しよもや母親だった。



「総一郎くんが嫌でも、私の話す人は私が選びたいの。こうやって突っかかられると、私が困っちゃうの」
「……あかりが?」
「うん。それに、清谷くんが嫌いだとしても、いけないことをしたら謝る。私もそういう総一郎くんの方が好きだな」



「────好き?」



 総一郎の目がキロッと開かれる。あかりの唇から好きという言葉が溢れた瞬間、総一郎は肌がピリピリする程の妙な高揚感があった。