世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




 清谷は、幸せそうにクリームソーダを飲むあかりを見て気持ちを立て直す。気を抜けば可愛いと言ってしまいそうで、慌てて自分もストローを吸った。



「清谷くん」
「はい」
「……例えば目の前で、何かに躓いて転んだ人がいたらどうする?」
「それは、勿論助けます」
「そうだよね。私が清谷くんを助けたのも同じだよ。目の前で困っていたから助けたの」



 話を掴みきれていない清谷に、あかりは話を続ける。



「特別なことじゃないんだよ。だから、これで私に恩を感じることもないし……今回ごちそうになっちゃったけど。これでもうチャラね」



 あかりのまっすぐな視線に、清谷はハッとした。


 清谷にとっては、あの日に助けられたことが特別だった。けど、あかりにとってあの出来事は、人として当たり前で。それに対して何の見返りも求めていない。


 逆に、こうやってお礼をした清谷が、この先自分に気を遣わないよう心配している。



 ────優しくて、可愛い。けどそれだけじゃない。


 あかりの持つ、人を思いやる懐深い部分に清谷の心は撃ち抜かれ、じんじんと痺れる。人間力の違いに、清谷は打ちのめされた。