「あかり、かわいい」
「え? 今?」
「間違えた。間違えてないけど、間違えた」
「そ、そうなんだ」
「……ありがとう、でいいよ」
「…………」
「俺、あかりにはごめんねより、たくさんありがとうって言われたい」
「……そっか」
「頼られて嬉しい。これからも俺をあかりが頼る男一号にして」



 あかりは、耳元で総一郎の低い声が響き、胸がキュッとなり、顔が熱くて呼吸が浅くなる。


 きっと、今日総一郎が居てくれなかったら、もう二度と人助けなんてしないという結論に至ってしまうほど……いや、それ以上の、酷い心の傷を負っていたかもしれない。


 全部、総一郎のおかげだ。


 そして、なんだかんだお世話対象として年下扱いしていた総一郎が、何故かさっきからオトコに見えて仕方がない。


 三つ子に抱きしめられなれているから、こんなのどうってことないはずなのに。あかりは、総一郎からのハグにどうしようもなくきゅんきて、ときめいていた。