君に愛を伝えたい

葉月side

家の扉を開けて乙葉を先に中に入れる。
出迎えてくれた虎徹に乙葉は抱きつく。

「ただいま〜虎徹〜!いい子にしてたぁ?」

先程までの怖がりは全く見せず、ただ愛犬と戯れる姿は癒される。

「ねぇ乙葉〜虎徹じゃなくて俺を抱きしめてよ〜」

なんて冗談を言ってからかうと乙葉はすぐに赤くなる。

これはまた怒られるやつだな。

そう思っていると、

ギュッと体温が伝わる。

「へっ?」

「なに、葉月が言ったんじゃん。」

赤い顔を隠すように俺の腹に埋める乙葉がものすごく愛おしくて、思わず抱きしめ返した。

「何どうしたの〜?今日は甘えんぼなの?」

あんな事があったんだから当たり前か、そう思いつつも聞いてみる。

「違う。今日、葉月が頑張ってくれたから、そのお礼。」

いや可愛すぎかよ。

お礼がこれなら毎日頑張るけど。

なんて思考は切り捨てて、乙葉の頭を撫でる。

「気にしないで、乙葉。じゃ、お風呂入って寝るか!」

「うん…」

お湯を貯めて、布団を敷いていると、乙葉が遠慮がちに俺の裾を掴んだ。

その仕草が可愛くて、胸がキュンとする。

「ど、どうしたの?」

乙葉は遠慮がちに、躊躇いながらも口を開いた。

「あの…ね、迷惑だったら断ってくれていいからね。そのね、今、1人になることが怖くて、だから…一緒にお風呂、入ってくれない?」

…え

え、え、え、ちょちょちょ待て待て。

幻聴じゃないよな?そうだよな、だってこんなに真っ赤な乙葉今まで見た事ねぇもん。

え?乙葉?本気で言ってる?

あ、プルプルしてきた。

「あー、乙葉?そのさー、ほんとに意味わかってる?」

そう尋ねると乙葉はボフッと音が鳴るくらい真っ赤に顔を染めて、

「やっぱりひとりで入る!」

と洗面所に駆け出した。

…ちょっと惜しいことしたかも。

いや、2人で入るってなったら2人とも気絶する恐れがあるからやめよう。

うん、これでいいんだ。