君に愛を伝えたい

「あとは、あれ楽しかった!空中でクルクルするやつ!」

「えぇ、あれちょっと怖くなかった?てか初めてなのに乗り物に強すぎじゃない?」

「だって全部新鮮で!」

楽しい楽しい帰り道、目線の先にいる人物に、思わず声が出た。

「…あ」

「?乙葉、どうし…」

言いかけて、葉月も気づいてしまった。

どうしよう、どうしよう、会いたくない、
会いたくない!

全身から冷や汗が吹き出し、膝がガクガクと震える。

そんな私を葉月は支えてくれて、急いで方向転換をしようとした。

「おい待てよっ!!!」

気付かれた、気付いてしまった。私たちに

私の、お父さんが。

いや、いや、いやっ!来ないで。

私に関わらないで!

葉月は必死に私を支えて歩こうとしたが、お父さんが近づくのがわかって、

「ちょっとごめん」

そう言って私を抱えて走り出した。

お姫様抱っこ。本当はもっと、ドキドキするお姫様抱っこが良かったのに、でもダメだ。

あの人を見ると頭が真っ白になる。

足も動かなくて、呼吸が浅くなる。

ごめんなさい、ごめんなさい。

殴らないで、いい子にするよ、ごめんなさいっ

「っは、はっ、」

呼吸が浅くなる、心臓がバクバクする。

いや、違う。これは私じゃなくて

葉月のものだ。