君に愛を伝えたい

「いらない!いらないから、そのおっきなリュック捨てて!2人で持てば小さいバックでもいいから!」

ぶーぶー言う葉月を押しのけて、小さなバッグにさっきの持ち物を入れる。

「乙葉、行こうか。」

「えぇ」

葉月の家を出て、2人で駅を目指す。

手を繋いで歩いて、駅に乗り込む。

「…意外と混んでるわね。」

午前10時半すぎ。そんなに人はいないと思っていた予想は外れて、電車の中はぎゅうぎゅう詰めになっていた。

「乙葉、離れないように僕のそばにいて。」

「わかった。」

葉月の背を壁にして、私が電車の壁に持たれる。

壁ドンをしなきゃ行けない状況なのは仕方ないけど、葉月の顔が近くてドキドキする。

「乙葉?顔赤いけど、暑い?具合悪かったりする?」

「し、しないし大丈夫よ。心配しないで」

そう微笑むけど、前科のある私は疑われる。

「…ほんとに?」

葉月は自分の額と私の額をくっ付けて熱を測ろうとする。

「ちょちょちょっと葉月!ここ電車だから、やめてよ!」

これ以上顔が接近するのを防ぎたくて胸板を押し返すけど後ろにも人がいて押し返せない

「なんで?乙葉が体調悪いって言うならそっちの方が大事だよ?」

「だから悪くない!お願いだから離れて!」

そう言うと、葉月は悪戯っぽく笑った。

「あ、わかった。乙葉、ドキドキしてる?」

「っ!そ、そうだけど、何?」

言い当てられたことに対してムッとして言う

「いやーわかるよ。久しぶりの遊園地ってドキドキするよね。楽しみだし、わかるわかる。」

何も分かってない葉月にイラついて、

「そうだね」

とぶっきらぼうに返す。

「え、何で不機嫌そうなの!?」

葉月が慌てた時電車が止まって、

「教えなーい。」

なんて言って葉月の手を引いてドアに行くまでの道のりにいる人をかき分ける。