見慣れた車が、アパートの前にあった。 乗り慣れていたから、私も乗りやすかった。 『2人で出かけるの初めてじゃない?』 「そう?確かにそうかもな」 『ドキドキする〜』 「今更?」 『雰囲気台無しにしないでよ』 と、 叩こうとするとハイタッチされた。 私の心はお見通し… 恥ずかしくなるくらい見破られていた。 最初の1時間は謙人と楽しくお喋りしていたけど、その後は寝てしまっていたらしい。 逆に寝なかった事はない。 車の揺れが気持ち良くてついつい寝てしまう。 と、 開き直ってみた。