どうしてもすぐに冷えてしまう私の手を温めるように、さすりながら、私たちは運命の瞬間を待った。

「ご主人、先に見ますか?」
医師が雅に声をかける。
「どうする?俺が先に見たほうがいい?」
雅は私に問う。
「一緒に・・・」
「わかった。」
震える声で私が答えると、雅は私の考えを尊重してくれた。

「わかりました。では今からこちらにMRI検査の画像を映し出します。後日、紹介状と一緒に送れるようになっています。それから、これは組織検査の結果です。」
医師はデスクトップの画面を私たち夫婦の方へ向けて、一枚の紙を雅に渡した。

雅はかなり険しい表情になり、渡された用紙をみる。
素人の私には、その数値や画像が何を示しているのかが全くわからない。