碧が私の手を引き、そのまま隣に座らされた。


「えへへっ」


引退しても碧は碧。


マネを大切にする姿勢は変わらない。


「よしっ、撮るぞー。もっと寄って寄って」


碧がぎゅっと体を密着させてきて、心臓が暴れだす。


何ヵ月も付き合ってるけど、いつまで経ってもドキドキは止まらない。


「はい、チーズ」


パシャっ


「さんきゅ、オギ!」


栗ちゃんがスマホを受け取りにいく。


きっと私の顔、真っ赤だろうな…。


一生残る思い出の1枚なのに恥ずかし…。


「桜子、このあと予定ある?」


私はドキドキしてるのに、碧は何てことないみたいだ。


いつもそうだ。


私ばかりドキドキして、碧は平常心。