「別にいいって。碧が活躍してるだけで満足だから」


私が碧の負担になるわけにはいかない。


碧がやりたいように野球ができる環境作りに協力しなきゃ。


碧はもう私だけの碧じゃない。


スターになる可能性を存分に秘めた存在なんだ。


「ワガママ言ってごめんね。これからも応援してるよ」


碧は何も言ってくれない。


微妙な沈黙が続く。


『……来週の土曜日、東京まで出てこれる?』


「え…?」


『会お』


会おって言ったってシーズン中だし…。


「会うのはシーズンオフでいいよ」


『じゃあ試合観に来て。席は用意しとくから。だめ?』


……。


碧がこんなこと言うなんて珍しいな…。


「別にいいけど…」