そのメッセージに既読がついたとたん、電話がかかってくる。


碧からだ。


卒業してから、碧が電話をかけてきたのは初めてかもしれない。


「もしもし?」


嬉しさを全面に出したくなくて、少し低めの声で応答する。


『久しぶり、桜子』


「うん。何?」


嬉しさと今までの不満が入り交じり、複雑な気分だ。


不満をぶつけたいけど、電話できるのがすごく嬉しい。


嬉しいけど、イラっともする。


『栗からもオギからも、桜子が寂しがってるって言われてさ。ホントごめん』


電話口で服が擦れる音がした。


きっと、見えてないのに頭を下げているんだろう。


『どうでもいいとかマジで思ってないから!それだけは誤解してほしくない。ホントに、桜子のことは大切に思ってるからさ』


ドストレートに言われ、ついニヤけてしまう。