それから3時間くらい、私たちは思い出話に明け暮れた。


どの話にも必ず碧が出てきて、碧の話になるあたり、私たちの中心は今でも碧なんだなぁと思わされる。


今の碧にルーツになった高校野球時代、そして栗ちゃんから聞ける少年野球時代の話。


いつでも碧は皆のヒーローで、スター的存在だった。


プロでもこのままスターへの階段を駆け上がって行くのかなぁ…。


「あ、皆。写真撮ろ!星矢に送り付けるやつ」


会計に行く前、陽菜がスマホをヒラヒラふる。


「アイツ嫉妬するやろなー。飲みの場に男がおるだけで嫌がるやろ」


「そうかなぁ…」


ここにいる男性陣は皆気心知れた仲間だから、嫉妬はしないと思うけど…。


でも、この写真を送って何か反応が返ってきたら嬉しいなぁ…。


「撮るよーっ」


─パシャッ


写真に映る私たちは、皆満点の笑顔だった。


けど、どこか物足りない。


そんな写真だった。