◆age18◆

甲子園の舞台で何度も聞いた校歌。


この校歌を聞くのも今日で最後か…。


胸を張って笑顔で歌う碧の姿が蘇った。


決勝戦。


相手は春夏連覇が懸かる湘桜だった。


あの春、甲子園で戦うはずだった湘桜と、決勝でぶつかった。


延長15回、0-0の均衡状態を打ち破ったのは、やはり碧だった。


超満員のスタンドに、特大サヨナラホームランを叩き込んだんだ。


あの時の、会場全体が揺れるどよめきは一生忘れない。


ホームベースを踏んだ碧に、チームメートが飛びついて揉みくちゃにしていたあの光景も。


湘桜のエースが呆然と立ち尽くしている後ろ姿も。


高らかに人差し指を突き上げる碧の姿も。


ひそかに涙を拭う齋藤先生の姿も。


忘れられない最高の思い出だ。