いつの間にか、あたしの上に覆い被さっていた井花は少し笑った。
「今頃?」
あたしは口を開いて、閉じて、どうしたいのか自分でも分からない。
「今ここで何を言われても信じられないけど」
「だよなー。でも、いくらで抱いてくれるかって聞かれる前も聞かれた後も変わらんから多分好きなんだわ、お前のこと」
ここで、そんなことを言われても。
狡い。
「ま、明日それは決めよーぜ。お茶して考えよ」
「お茶は決定なのが少し納得がいかない……」
井花が横に寝転んだ。熱が隣に移る。
本当にあたしが好きで、ここに居るなら、優しくて狡い男だ。



